自動で受け入れられるキザ――『マイ・インターン』母の感想

2020年11月某日、映画『マイ・インターン』を75歳の母と観た時のおしゃべりの記録です。若い頃から見たことのある俳優は強い。

『マイ・インターン』
2015年/アメリカ
監督:ナンシー・マイヤーズ
脚本:ナンシー・マイヤーズ
主演:ロバート・デ・ニーロ、アン・ハサウェイ

あらすじ

華やかなファッション業界で成功し、結婚してプライベートも充実、現代女性の理想の人生を送るジュールズ。そんな彼女の部下にシニア・インターンのベンが雇われる。最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールズだが、いつしか彼の的確な助言に頼るように。彼の“豊かな人生経験”が彼女のどんな難問にもアドバイスを用意し、彼の“シンプルな生き方”はジュールズを変えていくー。そんな時、ジュールズは思わぬ危機を迎え、大きな選択を迫られることに!

――引用:映画『マイ・インターン』オフィシャルサイトより

マミさんガイドライン(参照:公式サイト、Filmarks)

このガイドラインについてはこちら
今回の事前リサーチ:公式サイトとネットのレビュー(主にFilmarks)。

登場人物は多すぎないか?
どうやら主演のふたりが主で、他の登場人物も同じ会社内の人だけのよう。あとは主人公の家族が少し出るくらいなら大丈夫では。

構成が複雑すぎないか?
コメディなので入り組んではないだろうと予想。

事前知識がなくても楽しめるか?
ネットやSNSなど最新の文化におじいちゃんが翻弄されるシーンなどが予想できるが、それをマミさんも知らないため楽しめない…みたいなことがないかちょっと心配。その場で口頭でフォローできる程度だといいけど。
と思っていたところ、「インターン」という言葉がわからないとのこと。そこだったか。「研修生」とかかな……とお伝えする。

露骨すぎる暴力描写などはないか?
万が一おじいちゃんが殴られでもしたら立ち直れないが、そんな場面はないと信じる。

お母さんはこう思ったようです

――いかがでした。楽しかったよね。
「おもしろかった!わかりやすいし。あの女優さんとあのおじいちゃんとで映画撮りましょうって思いついた人がえらいよね」

――アン・ハサウェイとロバート・デ・ニーロ。
「うん。あのお姉さんいいわよねえ。あのね、何がいいって、顔が。あの人だってすぐ分かるもん、知ってる!ってなる。そんですっごく美人さんなのに、別世界じゃない感じ、なーんか身近にも感じられる顔なのよね〜。いいわ。いいわよ。何かしらね、目鼻立ちがくっきりしてるから? いやそんなこと言ったら外国の人みーんなくっきりしてるわよねえ、何なのかしらね、知らんわ」

――海外の俳優さんでお母さんが顔を把握してるって、珍しい例だ。
「ウフフフ。名前はちょっと覚えられないけど……あっでっもロバート・デ・ニーロはわかる! むか〜〜〜〜〜しに覚えた人のことはけっこう覚えてるんだぞこれが」

――ものすごく「ロバートでニーロ」って聞こえる言い方するなあ。

説明が必要だったところ

部下のキャメロンがジュールズに、インターンを雇うことを勧める場面。
「シニア・インターンプログラムの話をしたの、覚えてる?」
「ううん(略)。どっちのシニア? 高校? 大学?」
「違う違う、人生のシニアだよ、つまりお年寄り」
――というやり取りがありますが、ここで「シニアって何?」という質問がきました。「聞いたことはある気はする」というので、シニア割引とか言うよね、と言うと「あーそれそれ。シニアって老人とかそういう意味?」とのことで、「ジュニアの反対語だよ。日本では高齢者って意味で使うことが多いんだよね」とざっくり教えたところ「へえ!“死に合”かと思った(笑)。英語なんだフーン」
この人たまにすんごい発想するな……。

ここからストーリーに関するネタバレが含まれます。
観る前に知りたくない人は読まないようにしてね。

おとぎ話ではある

——あんなおじいちゃん、夢だよね。
「ね!いい話だったけど、実際こんなことがあるかといったら、まあ、ないのですが……」

——まあ、おとぎ話の一種。
「うん。これ日本の映画で日本のジイちゃんだったら『んなことあるかいボケ』って思ったかも?(笑)でもなんか、キザなこと言われても自動で受け入れさせられたわ」

——わたし、あのベッドで語らうシーン、あれ邦画だったら素直に見られなかったかもしれない……まさか変な気起こしたりしないよね!? って。そんでそんな発想しちゃう自分がちょっといや、みたいになったり。
「なんもかも現実で経験させられたことのせいでよね。あと実際あのくらいの年齢の男女のストーリーで恋愛にさせるやつ普通にあるじゃない? エーッその流れでそうなる!? っていう。なんか脚本の妙ないやらしさっていうか……」

——できれば感じたくない気持ちだね。今日は安心でした。
「なにかね、顔? 顔の力かな? 説得力がある」

——じゃあもう主演ふたりの顔が良い映画ということで。
「でも顔は大事よ。しかしあんなにも美人さんで、仕事もできて、女としてのいじらしさのようなものもあるスーパーウーマンであってもダンナはよその、わりと普通の感じの奥さんに浮気するっていうストーリーは、なんか、そこはきっちり現実的というか、アメリカもそうなのかねえ……」

「いま」の女って

——そう、アン・ハサウェイの役がチャーミングな人なんだよね。よくあるやつだと、なんかこう……仕事はできるけどそればっかりっていうか「人に冷たい」とか、あとよく言う「女を忘れかけてた」みたいなお決まりの描き方されそうな役なんだけどそうじゃなくて。おじさんとの交流でガラリと変わるわけでもない。
「心を入れ替えました!みたいな話はもう流行らないよね。この人はスーパーウーマンだけど、それこそおとぎ話みたいな理想の女ってわけでもなく……夫のこと好きで、関係を持続させる努力もしたいし、忙しい中で子供への愛情もしっかり注ごうとしてて、でも男目線の『かわいい女』じゃない。母親がさらにキツい人で、お母さんとの関係にイーッてなってるのも、なるほどねって感じでよかった。日本の世間様はどうも、ずば抜けて仕事ができる女はもう女じゃないと思ってるのか、女としての他の役目が全く果たせてませーんってことにするとこない?」

——わかる。「男社会の中で仕事ができる女」を作ろうとすると、みんなが呆れる重大な欠陥とセットにしてはじめてキャラクターって感じ。
「完璧な人はいないから、苦手なもんとか欠点を描くのはいいと思うんだけど……それが似たりこすったりで生きてないのはいや。冷たいとか、子育てに失敗とか、あと料理が不味いとか、料理が不味いとか料理が不味いとか!」

——「料理が苦手」をなぜかそこだけギャグみたいに描くの、あるね。すっごく古いけど、まだあるね
「私の頃に比べたら、いまの現実の女の人たちは何もかもをものすごく頑張ってるよ!みんな頑張ってるのに、物語の中の女は時々すごく古くさい。この映画はなんていうか、おとぎ話なんだけど、今のおとぎ話って感じがしたかな、向こう(アメリカ)の世間のことは分からないけど」

——えっとねこれは……2015年の映画だね。
「そーなの。へええ。2、3年前とかじゃないんだ」

——個人的には、映画には現実の世の中よりほんの少し先を見ていてほしいかなって思うよ。
「それでいいんじゃない? 映画って作るのに何年もかかったりするんでしょ?」

——マッドマックスとか10年くらいかかってなかった?(笑)
「あれはいつ観ても『今』の話だよ!!!」

そのほか印象に残ったところ

☆ 子役の女の子がかわいい〜!
☆ Eメールまちがって送っちゃったら、本当にああするしかないの? えっ、現代のITなのに!? 大変じゃない! インターネットもたいしたことないわね!
☆ あの会社の鐘ちょっと鳴らしてみたい。絶対に和田アキ子のこと思い出すわ。

まとめ

主要な人物の少なさ・見分けやすさ
年代、性別、髪型、服装などのかぶりがまったくといっていいほどない、すばらしい。
とてもわかりやすかったようです。

飽きてなかった?
大丈夫。一度もうとうとしませんでした。

予備知識のいらなさ
「インターンって何?」以外はとくに大きな引っかかりはなかったっぽい?
ジュールズの会社については「ゾゾタウンのもう少し小さい版」と説明したら納得してたけど、あれほんとにわかったかな……。

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